石橋英子「Drifting Devil」


仕事の帰り道。どこからか匂いがした。それは、芳香や異臭等ではなく「ノスタルジックな匂い」としか言いようがない匂いで僕は頭の奥の方がむず痒くなった。嗅いだ瞬間反射的に昔の記憶が呼び起こされそうになったが、何も思い出せずに僕は自転車を漕ぐ足を止める事なくその場を後にした。僕は何を忘れてしまったのか。